日本は「地震大国」と言われるほど、世界的に地震が多い国です。近年では、「南海トラフ地震」がいつ起こってもおかしくない状況とも言われています。また、台風や線状降水帯による水害も年々増してきており、災害が起こってもすぐ対応できるよう、もしもの時に備えて準備が必要です。
また、大人だけであれば、災害がおこるとすぐに避難できます。しかし、小さな子供がいる場合はどうでしょう。子供の身の安全の確保をしながらの避難は簡単ではありません。そのため、大人だけでなく、子供用の「避難リュック」を事前に準備しておき、安全に素早く避難することが大切になります。
本記事では、子ども用の避難グッズを乳児と幼児以降に分けてリストアップし、避難グッズを選ぶ時のポイントを解説します。また、避難のタイミングや避難場所・避難方法等も紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
避難時の「荷物チェックリスト」
避難には下記の2種類があります
◎一次避難:最も危険な期間に避難すること
◎二次避難:被災から復興が地容器化した場合
一次避難では、迅速に避難できるよう、子連れで持っていけるカバン(リュックや肩掛けカバン等)に荷物を入れ、子供を抱っこしたり、手をつないで移動できるよう、量を絞っておく必要があります。
そして、避難生活が長引きそうな時に、「二次避難」のための荷物を自宅に取りに行くようにします。
それでは、一次避難、二次避難で、それぞれどのようなものを準備しておけば良いのか、説明していきます。
一次避難時の荷物チェックリスト
■最低限必要なもの
まず、最低限必要なものは「防災情報を得るためのもの」、「避難場所までいくのに必要なもの」です。
特に必要な避難グッズは以下の通りです。
□携帯ラジオ
□乾電池・モバイルバッテリー
□懐中電灯・ヘッドライト(子連れ避難には両手があくヘッドライトが便利!)
□防災マップ・避難マップ
□ホイッスル(閉じ込められた時や、誰かに自分の居場所を知らせる時に使う)
□スリッパや上靴(室内での怪我防止、防寒のため)
□応急処置用品(絆創膏、ガーゼ、テープ、常備薬等)
※毎日必ず内服しないといけないものは、すぐにカバンに入れれるよう準備しておく
□携帯トイレ
□ブランケット、アルミ製保温シート、カイロ
□現金、小銭、貴重品(印鑑や通帳)
□パーソナルカード(家族の写真、連絡先、持病等を書いたカード)
■子連れの場合に必要なもの
子連れで避難をする際に必要なものを以下にまとめました。
□母子手帳、お薬手帳
□抱っこ紐(子どもの靴も)
□スーパーのレジ袋・ビニール袋
→簡易トイレ、お皿、古布と合わせてオムツの代わりなど、様々な応用ができます。
□タオル、バスタオル
□服や下着などの着替え
□オムツ・おしりふき
□授乳用ケープ
□粉ミルク、哺乳瓶、ミネラルウォーター
→ストレスで母乳が出なくなる可能性もあります。
□レトルトの離乳食(温めなくても食べれる物がいいです)
◇絵本やおもちゃ、子供のお菓子
★あると便利なもの
もし、まだカバンの中に余裕がありそうなら入れておくと便利な物を以下にまとめました。
□軍手・毛布
□ライター・ロウソク
□水・水筒
非常用食品(缶切、食器等も)
□歯ブラシ
□マスク
□ナイフ
□衣類
二次避難時の荷物チェックリスト
一次避難用とは別に、二次避難用として、自宅に備蓄しておきたいものを以下にまとめました。
◆水・食料
□水(飲料水、調理用など)
□主食(レトルトご飯、麺など)
□主菜(缶詰、レトルト食品、冷凍食品)
□缶詰(果物、小豆など)
□野菜ジュース
□加熱せず食べられる物(かまぼこ、チーズなど)
□菓子類(チョコレートなど)
□栄養補助食品
□調味料(しょうゆ、塩など)
◆生活用品
□カセットコンロ・ガスボンベ
□簡易トイレ
□予備の乾電池、予備バッテリー
□ビニール袋、大型ビニール袋
□食品包装用ラップ
□トイレットペーパー
□予備の生理用品
□使い捨てカイロ
□ラテックス手袋
◆子連れの場合に必要なもの
□オムツ・おしりふき
□粉ミルク、哺乳瓶、ミネラルウォーター
□絵本・おもちゃ
□子ども用のおやつ
子連れが避難するタイミング
子連れは大人のみと比べて避難するのに時間がかかってしまいます。
では、子連れ家庭はどのタイミングで避難するのが適切なのでしょうか。
台風や水害などの予想できる災害時は、自治体等から避難情報が発信されます。
子連れ家庭が避難するタイミングは、「警戒レベル3:高齢者等避難」の段階です。
参考:内閣府「避難情報に関するガイドラインの改定(令和3年5月)」
子連れでの避難場所
避難するタイミングが分かったところで次は子連れ家族がどこに避難するのか、またどのように避難するのかをご紹介します。
◎最寄りの小中学校
基本的に各家庭の住所番地に合わせて、最寄りの小中学校が指定されています。
◎近くのホテルや知人宅
小さな子供がいる場合、色々な人が大勢集まる指定の避難場所よりも、知り合い宅や、プライバシーが確保できる場所が良い場合もあります(安全であることが前提)。
◎屋内安全確保
自宅の上の階に避難する「屋内安全確保」という選択肢もあります。
しかし、こちらはハザードマップを確認の上、以下の3つをクリアしている場合のみに使える手段です
①「家屋倒壊等氾濫想定区域」に入っていない
②想定される「浸水の高さ(深さ)」よりも、部屋の位置が高い
③想定される「浸水継続時間(水がひくまでの時間)の間、食料や水、および電気・ガス・水道・トイレの代替手段が確保されている
※土砂災害が想定される区域では「屋内安全確保」は危険なので避けましょう
避難場所までの避難方法
子連れで避難する場合は、「子供を抱っこして徒歩」が原則です。
車や自動車は、避難時には交通を混乱させたり、駐車場所がなかったりします。また、瓦礫や濁流により普段通れる道が利用できない場合もあります。
ベビーカーも、停電でエレベータが使用できなかったり、瓦礫や濁流で通れない場合もあるため、使用は避けましょう。
避難用の荷物もあるため、「抱っこひも」を使える年齢であれば使用することをおすすめします。
抱っこでも靴は忘れずに履かせてあげてください。
おわりに
今回は子連れでの避難を想定した上で、避難のタイミングや場所、持ち物について紹介しました。
避難所には緊急備品や配給がありますが、すぐに手元に届くとは限りません。また、家族のプライベートスペースが少なく、特に子供には大きなストレスがかかります。
そのため、事前に防災グッズを準備をしておき、避難所で少しでも快適に、安心して過ごせるよう準備をしておくことが大切ですね。
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